訪問介護の家族指導におけるポイント

訪問介護サービスを選択する在宅療養者が増えてきたと同時に、在宅で介護を行う家族の負担も増加してきました。
現在は女性も社会進出をしてきており、家事・育児・仕事に加えて、介護を行う女性の負担は著明になってきました。
介護に対する男性の参加や理解度は未だに低く、主介護者である女性が体調を崩し、要介護者が施設や病院へ戻るという事態が発生することもあります。
在宅療養者を定期的に訪問する訪問看護師は、家族の様々な状況を考え、療養指導していくことが必要になってきます。

 

在宅における家族指導のポイントの一つに、介護者の負担を軽減するための指導があげられます。
老老介護が増加してきている今、腰痛や関節痛を抱えながら、配偶者の介護を行う高齢者が増えています。
訪問看護師は、週に1~2回の訪問時に、療養者の体調のみでなく、介護者の体調についても情報収集を行い、
必要に応じてサービス内容の変更や、ケアマネージャーとの連絡相談が求められています。

 

在宅における家族指導のポイントとしては、実現可能な指導をすることです。
例えば、要介護5で寝たきりの男性高齢者に対して、70代後半の妻が2時間おきにトイレ移乗を行うことは大きな負担になります。
また、夜間のトイレ介助の場合、転倒リスクも高く、老老介護を行っている場合は避けることが望ましいとされています。
この場合、吸収能力に優れているオムツの使用を提案したり、パットの使用を提案することで、介助者である高齢の妻の負担を軽減させることが出来ます。

 

訪問看護師が在宅で指導に当たれる時間は、1週間のうちほんのわずかです。
しかし、同居している主介助者の場合、24時間を療養者と共に生活し、ケアを行っています。
その心理的ストレスや身体的な負担を減らせるような提案をしていくことが、プロの訪問看護師の求められるスキルの一つでもあります。
独居や高齢者夫婦の単独世帯が増えていく中で、より多様な指導ができる訪問看護師の存在が、現場の質を上げていくために重要な役割と言えるでしょう。